カングーを購入しようか迷っているときに役に立つのが、実際に乗っているオーナーの話です。
2015年にカングーを新車で購入してから8年経過し、日本車では感じたことのない特徴がありました。
結論として「買って満足」なんですが、もちろん良い面ばかりではありません。
カングーを買って後悔しないために知っておきたい、メリット、デメリットについて書いていきます。
カングーのまとめ記事はこちら↓
カングー(ABA-KWK4M)の車両情報

- メーカー:ルノー(本社フランス)
- 車名:カングー(アクティフ)
- ドア数:5ドア
- 乗車定員:5名
- 型式:ABA-KWK4M
- 全長×全幅×全高:4280×1830×1810mm
- 車両重量:1460kg
- 総排気量:1598cc
- 燃料タンク:56リットル
- 使用燃料:ハイオクのみ
- タイヤサイズ:195/65/R15(前後同じ)
- アイドリングストップ:なし
- 適合バッテリー:LN2
- 初年度登録:平成27年1月(2015年)
カングーの良いところ
- 見た目がかわいい
- 観音開きのバックドア
- 収納力はバツグン
- 値段がリーズナブル
見た目がかわいい

カングーといえば、何とも言えないずんぐりむっくりした見た目です。
カングーアクティフは正面からみると、下半分が黒くヒゲを生やした顔に見えるので「オジサンみたいな顔」と言われたことがあります。
言われてみると確かに、と納得しましたが、褒め言葉と受け取っておきましょう。
車体全体も丸みを帯びて柔らかなフォルムで、なかなか日本車にはない「かわいさ」があります。
見た目がかわいいと感じる人はカングーを購入して間違いないです。
観音開きのバックドア

カングーといえば、観音開きのバックドア。
これも重要なポイントですね。
日本車のバックドアは跳ね上げ式がほとんどなので、両開きはとても珍しい仕様なのです。
見た目もかわいいし、短い距離でも開くことができます。
収納力はバツグン
後部座席の後ろのラゲッジスペース(荷室)は広いです。
かなりの荷物があっても積み込めます。
ラゲッジスペースの床素材がフワフワで毛羽立ちやすいので、樹脂製のフロアマットを敷きました。
こうすることで、床素材を保護しながら泥、水を気にしなくて良くなります。
樹脂製のフロアマットはホームセンターで1メーター当たり数百円で売ってます。
簡単にできるのでアウトドア好きや子供の汚れた物を積み込むときに便利ですよ。
値段がリーズナブル
カングーはフランスの車で、一応、外車ですが同じクラスのミニバンと比べてもリーズナブルです。
よく比較されるのは、国産ではトヨタのシエンタ、海外ではベルランゴ、リフターですね。
2015年当時、240万ぐらいで購入しましたが、同じクラスの日本車と同じぐらいの価格帯でした。
カングーのいまいちな所
- 内装の収納レイアウトがイマイチ
- ドリンクホルダーが使えない
- 床の素材が毛羽立ちやすい
- 後部座席が後ろに倒れない
- リモコンキーが2つ
- スライドドアが重い
- 後方が見にくい
- ブレーキダストがひどい
- 出だしのパワーがない
- ワイパーが立てられない
- 車幅が広い
- メンテナンス費用が高い
カングーは見た目が良いのですが、スペックや先進装備、快適な内装で選ぶ車ではありません。
「もうちょっと何とかならないかな?」と思ったことについて書いていきます。
挙げてみたら良いところに比べて、いまいちな所のほうが多いですが…
デメリットというほどでもないかな?と思ってますし、好みの問題になると思います。
内装の収納レイアウトがイマイチ

運転席、助手席、後部座席に座ったときに、飲み物や小物を置くスペースがありません。
荷物を置くスペースがあっても、レイアウトがイマイチなので使い勝手が良くないのです。
ドリンクホルダーが使えない

基本的に1個だけですが、ここには350ml缶、500mlペットボトルが入らないのです。
全くないのも困るので、エアコンの吹き出し口に取り付けるタイプを運転席側、助手席側にそれぞれ設置しました。

後部座席にスリーコインズのドリンクホルダーを後付けしました↓
床の素材が毛羽立ちやすい
床全体がカーペットのような素材で、摩擦で毛羽立ちます。
そのまま放置すると毛羽立ちがひどくなるので、たまにハサミで切ってます。
後ろの荷室は重いものを置くので、ゴリゴリ使おうと思ったらフロアマットを敷くと便利ですよ。
安くて簡単にできるのでオススメです。
過去記事→「カングー(KWK4M)のラゲッジスペース(荷室)を樹脂製フロアマット化する方法」
後部座席が後ろに倒れない

後部座席は固定されており後ろに倒れません。
長距離ドライブだと必ず子供が寝るので、座席が後ろに倒れないと座ったまま寝るので姿勢がきつそうです。
100均で首に巻き付けるタイプの枕があるので、重宝しています。
完全にフラットにならなくても、少し後ろに倒れてくれれば良いんですけどね。
リモコンキーが2つ

カングーは本体のリモコンキーと別にコブラキーがついてきます。
日本の電波法の関係で本体のリモコンキーのロック機能が使えません。
その代わりにコブラキーにロック機能を持たせています。
結果、リモコンキーが2つ持ちになるんですが、かさばるんですよね。
リモコンキー本体のロック機能を復活させる方法もありますが、違法らしいのでおすすめはしません。
「純正リモコンキー」の電池交換はこちら。
「コブラキー」の電池交換はこちら。
スライドドアが重い

スライドドアは手動です。
ドアが重いのである程度の力が必要なのと、開け方、閉め方にちょっとしたコツが必要です。
スライドドア全開状態の時、誤って閉まるのを防ぐために硬めのロックがかかっているので良い点かもしれませんね。
慣れると小学生でも出来るようになりますが、初めは戸惑います。
後方が見にくい
観音開きは外見が格好良いのですが、ピラーが死角になって後ろが見にくいです。
見にくいだけで全く見えないわけじゃないので安心してください。
運転中の後方確認って頻繁にしないし、駐車場もサイドミラーのほうが重要なので、実際はあまり困りません。
ブレーキダストがひどい

カングーに限らずヨーロッパ車全体の傾向らしいのですが、「ブレーキダストがひどい」のです。
すぐにホイールが黒ずんでいます。
車が止まるには、ディスクブレーキをブレーキパッドで押さえつけて摩擦力が必要です。

この摩擦力の代わりにパッドが削れるのですが、削りカスがブレーキダストと呼ばれる汚れの正体です。
ヨーロッパ車は「カックンブレーキ」と言われるほどブレーキの効きが良くキュッと止まります。
欧州車のブレーキパッドは日本車とは異なり、柔らかい素材が用いられています。また、ローターも国産にくらべて柔らかく、制動時にはパッドとローター双方が削れることで、高い制動力を発生します。そういった背景から、ホイールはブレーキダストで汚れやすくなっています。
出典:CarMe[カーミー]より
制動力はやや低下しますが、パッドが削れにくい物に変えればダストも少なくなりますし、ヨーロッパと日本の車に対する考え方の違いでしょうね。
出だしのパワーがない

車体が重いわりにガソリンエンジン1.6Ⅼの排気量なのでパワーがないです。
出だしにアクセルを踏み込んでも「のっそり」スピードが徐々にあがってくるイメージです。
まあ、カングーにはスタートダッシュを望んでいないのでこんなもんでしょう。
高速道路の長い上り坂だとスピードがでにくいので、他の車の邪魔にならないように必ず左車線を走るようにしています。
「出だしの遅さ」と「高速道路の長い上り坂」は、ちょっと注意が必要です。
ワイパーが立てられない

こちらは雪に縁がない場所ですが、雪国では冬場にワイパーを立てるそうですね。
ワイパーに雪が積もったり、破損を避けるためだとか。
このカングー(ABA-KWK4M)は、ワイパーが立てられません。
フロントガラスの掃除をするとき、ワイパーブレードやワイパーゴムの交換の時にひと手間かかるくらいで、困ったことはありません。
豪雪地帯でもない限り、あまり関係ないかもしれません。
車幅が広い
カングーの車幅は1830㎜です。
他の車と比較してみましょう。
車名 | 車幅 |
---|---|
カングー(アクティフ):ルノー | 1830㎜ |
ベルランゴ(フィール):シトロエン | 1855㎜ |
リフター(GTライン):プジョー | 1850㎜ |
エルグランド(2WD 250Highway STAR S) :トヨタ | 1850㎜ |
デリカ(D:5):三菱 | 1795㎜ |
ヴォクシー(S-G 2WD):トヨタ | 1730㎜ |
セレナ(2WD X):日産 | 1695㎜ |
シエンタ(FUNBANSE X):トヨタ | 1695㎜ |
フリード(B Honda SENSING):ホンダ | 1695㎜ |
よくカングーの比較に出されるベルランゴ、リフターの車幅あたりとほぼ同じ大きさです。
逆に国産のミニバンは車幅がコンパクトです。
国産と比較するとエルグランドと同じぐらいなんですね。
そう考えると車幅デカい。
セレナ、シエンタ、フリードは1695㎜なのでカングーに比べて130㎜もスリムです。
当然、車幅が大きいと狭い道路を走るときに気をつけないとサイドミラーをぶつけたり、曲がるときに車体をぶつける可能性がでてきます。
アウトドアが好きな人は、山や海に行くときに狭い道路を走ることがあるので「運転不安だな」という人は覚悟が必要です。
メンテナンス費用が高い
ルノーは日産と併設されていることもありますが、基本的には外車(フランス)なのでメンテナンスや修理費用が高いです。
まあ、それはディーラーに依頼すればの話ですが。
このあたりは色々工夫しながら安く維持する方法があります。
カングーを購入した理由
- 見た目が一番
- 維持費は安くできる
見た目が一番
もちろん「見た目」。
カングーを買うほとんどの人はそうじゃないかな?と思っています。
国産のミニバンと比べても、ビックリするほど高い値段じゃないし。
生活するために車が必要な場所なので「どうせ乗るなら気に入った物を使いたい」という気持ちと「日本車と同じぐらいの購入価格」で「維持費は工夫しだいで安くなる」ことがわかったのが大きいですね。
「性能よりも見た目」それと「お金(維持費)」のバランスをとっています。
いくら気に入っていても維持費が高いと、夫婦と子供3人の5人家族で平均的年収の家庭だと「ちょっと維持できない」となりますよね。
維持費は安くできる
車検や消耗品交換はディーラーに依頼すると高いのですが、これは日本車も同じです。
楽天Car車検を使えば、たくさんの加盟店から金額の比較ができるし口コミもあって参考になります。
外車であればパーツを日本に持ってくる輸送代、人件費、管理費、など何かと理由をつけて強気な値段設定にしています。
色々、調べてみてカングーでも維持費はそれなりに安くできることがわかりました。
こんな感じです。
- 一番安い:「パーツをネットで購入」→「自分で取り付け」
- 安い:「パーツをネットで購入」→「プロ(ディーラー以外)が取り付け」
- 高い:「パーツも取り付けもプロ(ディーラー以外)にお願い」
- 一番高い:「パーツも取り付けもディーラーにお願い」
ただし、金額があがるほど保証が手厚くなるので、安心感を重視する方はディーラーにすべてお任せが良いと思います。
「外車対応OK」の車検専門店や整備工場、ガソリンスタンドであれば、車検も消耗品交換も日本車と同じようにやってくれます(割増料金の可能性あり)。
「外車お断り」のところもありますが、消耗品交換でよくある「オイル」「エレメント」「タイヤ」「バッテリー」「電球」の交換はだいたい受け付けてくれます。
特殊な故障はディーラーに依頼することになりますが、地域の自動車整備工場に依頼して解決することもよくあります。
できれば、地域の自動車整備工場に定期的に通っておくといろいろ相談できるのでおすすめです。
個人が経営している工場であれば、ずっとその地域で商売するので信用が大事ですし人もそんなに入れ替わらないですよね。
適当な整備をしていれば必ず悪い評判になるので、必ず責任をもって良い仕事をしてくれます。
少なくとも地域で長いこと経営できている自動車整備工場は信用できると思います。
まとめ
9年以上カングーに乗ってみてわかったのは、外車といっても車に変わりないということ。
確かに日本車に比べてクセがありますが、車の機能としては十分だし、どうせ乗るなら気に入った車に乗りたいですよね。