カングーのバッテリー交換って素人の自分でも出来るかな?バッテリーは何を買えばいいの?
このような疑問に答えます。
結論:体力と予備知識があれば素人でも交換できる
経年劣化でバッテリー性能は常に低下しておりエンジンがかかりにくくなります。
特に冬場はバッテリー性能が低下するので、定期的なチェックと交換が必要です。
実際にエンジンがかからずにロードサービスを呼んだことがあるので、「エンジンがかかりにくい時の対処法」についてはこちらの記事へどうぞ。
車のバッテリーは重いし、交換方法に手順があるので誰でも簡単にできるわけではありません。
デメリットを理解したうえで、読み進めてくださいね。
以下に4つのチェックリストを作ったので、1つでも当てはまる場合は迷わずプロにお願いしましょう。
バッテリーのセルフ交換を自分でしてはいけない人のチェックリスト
- 重いものが持ち上げられない(今回のバッテリーは15.5㎏)
- 危険なことはしたくない(ショートの危険あり)
- 工具をまったく使ったことがない
- お金に困っていない(ディーラーだとセルフ交換の3倍以上高い)
カングーはフランスのルノーというメーカーの車です。
国産車と違いディーラー以外で整備や消耗品の交換を頼むと「うちでは対応できない」と言って断られることがあります。
カングーは維持費が高いのか?と言われると必ずしもそうではないです。
ただ、ディーラーに全部お任せしたらとんでもなく高いので、自分で調べたり作業したり「ひと工夫」が必要です。
維持費を節約する場合にいくつかポイントがありますが、今回はバッテリーを自分で交換しました。
バッテリー購入は楽天市場で、ドイツメーカーで欧州車純正装着率No.1の実績があるVARTA(バルタ)をチョイス。
VARTAは日本での知名度は低いですが、BOSCH(ボッシュ)にOEM供給しているという実績があるんです。
他の有名メーカーに比べ知名度が低い分、同じ商品グレードならVARTAのほうが何割か安くなっています。
バッテリー本体と工賃も含めた合計金額で比較すれば、ディーラーに依頼する場合に比べ約1/3程度になります。
先ほどのチェックリストでチェックが入らなかった方は、自分でバッテリーを交換してみる価値があります。
では、早速、始めましょう。
記事要約
・自分でバッテリー交換する時の準備物がわかる
・バッテリー交換で必要な予備知識と実際の交換手順がわかる
・廃棄バッテリーの処理方法がわかる(佐川急便で発送)
動画はこちらからどうぞ。
カングーのまとめ記事はこちら↓
カングー(ABA-KWK4M)の車両情報
- メーカー:ルノー
- 本社:フランス
- 車名:カングー
- 型式:ABA-KWK4M
- アイドリングストップ:なし
- 適合バッテリー:LN2
- 初年度登録:平成27年1月(2015年)
バッテリーの情報
自宅カングー(KWK4M)のバッテリー交換歴
回数 | メーカー | 商品名 | 品番 | サイズ(mm) | CCA | 20時間率容量 | 交換日時 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1回 | 不明※1 | 不明 | 不明 | L242 × W175 × H190 | 不明 | 不明 | 2015年1月 |
2回 | BOSCH (ボッシュ) | ブラック-EFB | BLE-60-L2 | L242 × W175 × H190 | 560 | 60 | 2018年1月20日 |
3回 | VARTA(バルタ) | Blue Dynamic | LN2 | L242 × W175 × H190 | 540 | 60 | 2022年4月3日 |
バッテリーにはいくつかグレードがあり、各社それぞれが独自の商品名をつけているので選ぶ時に非常にわかりにくいです。
新しいバッテリーは「VARTA:Blue Dynamic」で、VARTA(バルタ)のラインナップではスタンダードな製品です。
注意点として、アイドリングストップ車は非対応です。
今乗っているカングー(ABA-KWK4M)は「アイドリングストップなし」「電力消費の激しいパーツをつけていない」ので「VARTA:Blue Dynamic」でいけると判断しました。
バッテリー交換から1年経過した結果はこちら↓
古いバッテリーはBOSCH(ボッシュ)のEFBテクノロジーが採用されている製品でアイドリングストップ車も対応です。
「BOSCH(ボッシュ)のブラックEFB」はディーラーで交換してもらったもので、当時はバッテリーのことをよく知らなかったので言われるがまま交換してました。
今考えると、このカングーには過剰な性能のバッテリーだったかもしれませんね。
値段もVARTA(バルタ)のBlue Dynamicに比べると2倍近くの値段です。
ディーラーとしては「利益」のこともあるし、のちのち不具合が起きないためにも「性能が良くて高いバッテリー」をすすめますよね。
自分の車にどんなバッテリーが合うかは、自分で判断しましょう。
とはいえ、「アイドリングストップ車」とか「電装品をカスタムしている」場合で電力を大量消費する車だと「高性能のEFB:強化タイプ」または「AGM:ガラスマットタイプ」が標準ですのでお間違いなく。
バッテリー交換のメリットとデメリット
自分で交換するメリット
自分で交換する最大のメリットは「費用が安い」ということです。
自分で作業すれば工賃はいりませんし、バッテリーをネットで購入することでかなり費用が抑えられます。
あくまで参考ですが、ディーラー、カー用品専門店、自分で行った場合にかかる費用の内訳です。
バッテリー交換費用の目安(LN2の場合)
購入と交換場所 | 部品代 | 工賃と出典元 | 合計費用 |
---|---|---|---|
①ディーラーで購入と交換 | ¥36,740から(ルノー世田谷) | ¥3,300から(ルノーNT販売) | ¥40,000以上 |
②カー用品専門店などで購入と交換 | ¥35,080から(オートバックス) | ¥500から(オートバックス) | ¥35,500以上 |
③ネットで買って②へ持込 | ¥10,000から | ¥1,100から(ぽんログ) | ¥11,000以上 |
④DIY(自分で) | ¥10,000から | 無料 | ¥10,000以上 |
ディーラーのバッテリー価格情報はルノー世田谷からですが、2021年1月29日までのキャンペーン情報です。
③ネットで買って②へ持ち込みですが、カングーなどの外車は断られるかもしれないので要注意です。
事前にお店に問い合わせて相談しておきましょう。
ディーラーやカー用品店でのバッテリー本体の価格は、あまり詳細が載っていないので単純な比較は難しいです。
バッテリーもグレードによって値段が変わりますが、ネットでは同じ商品が半額以下の場合もあります。
あまり知られていないですが、JAF会員であれば自宅にJAFに来てもらって無料でバッテリー交換をしてくれますよ。
自分で交換するデメリット
- バッテリーが重い(15.5㎏)ので力がいる
- 取り扱いを間違うとショート(火花)が起こる
今回交換したバッテリーの重さは15.5㎏あります。
交換する時に腰の高さぐらいまで持ちあげる必要があるので、単純に力がなければ作業ができません。
バッテリーの重さとサイズについてはこちらの記事から
バッテリー交換で危険なのがショートです。
バッテリーのショートについてはこちらの記事から。
工具をまったく使ったことがない人もバッテリー交換には向きません。
バッテリー交換で使う工具はレンチだけですが、多少なりとも工具の使用経験がある人のほうが取り組みやすいと思います。
「工具を持っていない」「工具を買ってまでやりたくない」場合はやめておきましょう。
お金に困っていない場合も無理に自分で作業をする必要はありません。
「重い」「危険」「工具が必要」という条件があるので、お金を払ってプロにやってもらったほうが時間の節約にもなります。
DIYが好きな人のみ、次にすすんでください。
バッテリー交換で準備するもの
バッテリーを現車確認する
カングー(ABA-KWK4M)に適合するバッテリーはネットで調べればすぐにわかります。
バッテリー購入時、店舗によっては「お客様の間違いによる返品交換を受け付けません」と明示している場合があります。
適合しないバッテリーを購入してしまうと、他に使い道がないので無駄になります。
間違って購入しないためにも、いま積んでいるバッテリーを実際に確認しておきましょう。
ポイントは以下の4点です。
確認ポイント
- メーカー
- 商品名
- 品番
- サイズ
確認した古いバッテリーのメーカーは「BOSCH(ボッシュ)」商品名は「ブラック-EFB」品番は「BLE-60-L2」です。
サイズは実際に測っていきます。
長さ24㎝ぐらい。
奥行きは17.5㎝ぐらい。
高さは19㎝ぐらい。
下の画像の赤枠にストッパーが見えますが、間違って大きなサイズを買ってしまうと置けません。
欧州規格でLN2という名称だったので、ネットで調べたサイズと間違いないことがわかりました。
バッテリーは容量アップすると本体サイズが大きくなります。
カングーの台座にはストッパーがあるので適合サイズ以上は置けないようになっています。
サイズに間違いがないかどうか再度確認しましょう。
必要な物品
今回準備したバッテリーはVARTAです。
日本ではあまり有名ではないですが、ドイツのメーカーで欧州車純正装着率No.1の実績があります。
BOSCH (ボッシュ)にもOEM供給しています。
OEM供給とは
相手先ブランドによる供給のこと。VARTA(製造メーカー:OEMメーカー)がBOSCH(発注元)のブランド名を使って製品を製造すること。
今回のVARTA:Blue Dynamic LN2は楽天市場の「激安カー用品Webいち店」で購入しました。
楽天のSPUとお買い物マラソンを駆使している方なら、Amazonよりも「楽天市場」がおすすめです。
今回はSPU11.5倍、お買い物マラソン10倍だったので表示価格から20%オフ程度で購入できました。
楽天をあまり利用していない場合、Amazonと値段の比較をしてみましょう。
必要な工具と道具
- ラチェットレンチ10mmと13mm
- レンチの長さ延長10㎝と25㎝
- メモリーバックアップ
- ビニールテープ
- ゴム手袋
レンチは「バッテリーの端子を外す(10㎜)」「台座の固定を外す(13㎜)」ために必要です。
Amazonで豊富に工具セットが販売されていますが、高額なプロ用にしなくても全く問題ないです。
端子を外した後、車体に接触しないようにビニールテープで固定します。
ショートが怖かったのでゴム手袋で端子をつつみました。
メモリーバックアップは必須ではないですが、これがないと電装品がリセットされます。
再設定が面倒くさいので揃えておくと便利です。
バッテリー交換の注意点
バッテリーの取り外し手順
- 外す時は「マイナス端子」→「プラス端子」の順番
- 取り付けは「プラス端子」→「マイナス端子」の順番
バッテリーの場合は外す作業からなので、マイナスから始まってマイナスで終わります。
メモリーバックアップの取り外し手順
- 取り付けは「プラス端子」→「マイナス端子」の順番
- 外す時は「マイナス端子」→「プラス端子」の順番
メモリーバックアップの場合は、取り付けから始まるのでバッテリーと逆になります。
プラスから始まってプラスで終わります。
ショートに注意!
取り外した端子を車体の金属部分に触れるとショートを起こします。取り外した後は、動かないようにビニールテープなどで固定しておきましょう。
バッテリー交換の手順と注意点について
まずボンネットを開けてバッテリーの場所を確認します。
赤いプラスティックのカバーがプラス端子、黒いカバーはマイナス端子です。
プラスティックのカバーを外すと端子がむき出しになります。
こちらがマイナス端子を上からアップしたところです。
側方からのぞき込むと端子を固定しているナット(10㎜)が見えます。
ナットを外すときはレンチを5㎝から10㎝程度延長(エクスステンション)したほうが、レンチを回すときに干渉しないので作業がしやすいです。
こちらがプラス端子です。
マイナス端子と違ってナット(こちらも10㎜)が見える位置にあって外しやすいです。
プラス端子にくっついている配線たちですが、その下にバッテリーを固定している金具が見えます。
この金具も後で外すことになります。
底のほうに見えるのがバッテリーの台座を固定している金具です。
レンチは13㎜を使います。
底まで深さがあるので通常のレンチでは届きません。
今回はエクステンションを含めて25㎝程度の長さにしました。
実際にレンチを回してみると他に干渉しなかったので20㎝以上は欲しいところです。
バッテリーを固定している金具が緩みました。
マイナス端子のカバーを開けて外していきます。
ナットを緩めても硬くて外れなかったのですが、少し左右にゆすりながら徐々に持ち上げると外れました。
プラス端子のカバーはツメが4か所あるので、ツメを押しながら外していきます。
プラス端子がむき出しになりました。
配線がたくさんありますが一体化しているので端子部分だけを緩めれば全て外れます。
メモリーバックアップの準備です。
メモリーバックアップに電池を入れてプラスとマイナスを接触させるとショートするので、ゴム手袋に入れて離して置きました。
ボンネット裏にひっかけるところがあるので、適当なところに設置します。
メモリーバックアップはバッテリーの外し方と逆になります。
メモリーバックアップは「プラス端子」→「マイナス端子」の順番で取り付けます。
バックアップの設置が終わったら、バッテリーのマイナス端子から外していきます。
もしバックアップができていない場合は電装品がリセットされます。
例えば、時計、オーディオ、アイドリング(エンジン)などです。
特に純正オーディオの場合、盗難防止用のロックがかかるため解除が必要になります。
「ロックの解除方法がわからない」「本体を取り出して製品番号を調べたい」場合はこちらを参考にしてください。
マイナス端子を完全に外しました。
続いてプラス端子を外します。
プラス端子を持ち上げたところです。
この時点でバッテリーが完全に見えます。
古いバッテリーを取り外したら新品のバッテリーを設置していきます。
とにかく重いです(15.5㎏)が、頑張ってお腹のあたりまで持ち上げましょう。
新しいバッテリーの設置が終ったらプラス端子から取り付けます。
続いてマイナス端子を取り付けます。
端子が車体の金属に接触しないようゴム手袋に入れて、配線をビニールテープで固定していました。
マイナス端子をとりつけますが、この時点ではまだメモリーバックアップは外していません。
マイナス端子を取り付け終わったら、メモリーバックアップの「マイナス端子」→「プラス端子」の順番で外していきます。
最後に台座を固定するボルト(13㎜)を締めていきます。
バッテリーがぐらつかないように固定できたかどうか確認してください。
バッテリー本体を揺らしてみてぐらつきがないか確認しましょう。
しっかり固定できていれば完成です。
注意点!
運転の振動でネジが緩む可能性があるのでバッテリーがぐらついていないか定期的に確認しましょう。特に取り付け直後の2、3日で一度ボンネットを開けてしっかり固定されているか確認しましょう。
廃棄バッテリーの処理方法
今回は廃棄バッテリーを無料で回収してくれるサービスがあったので利用しました。
購入した商品にあらかじめ佐川急便の着払い伝票が添付されており、外箱はそのままで中身を廃棄バッテリーに入れ替えて返送しました。
佐川急便の着払いで指定されているので、ネット受付で簡単にできる自宅集荷サービスを使ってみました。
まとめ
カングーは通勤や買い物など日常の足なので、出来るだけ維持費は節約したいところ。
節約ポイントはいくつかありますが、車の安全性に関係ない消耗品交換を自分で行うのがおすすめです。
車のバッテリー交換は特殊な工具がなくても出来ますが、ちょっと力が必要ですね。
バッテリーが重いし、守らないといけない手順もあるので「力があって手順が理解できている人」のみチャレンジしてみてください。
ネットで購入して自分で交換すれば、ディーラーで購入して交換するのに比べて半額以下におさまりますよ。
今回交換したバッテリー(VARTA:Blue Dynamic LN2)は前回の物(BOSCH:ブラック-EFB)と比べてグレードダウンしているので、何年活躍してくれるのか楽しみです。
交換して1年後の状況です↓