13年経過したタント (DBA-L375S)の白化したカウルトップパネルを取り外して黒く再塗装しました。
※アイキャッチにビフォーアフターを載せてますが、ほぼ新品の仕上がりです。
こちらはビフォーの画像です。
さすがに13年間、何も対策していなかったので真っ白です。
「もう少し乗りたいけど新品に交換するほどお金をかけたくない」という思いで、いろいろ調べたらピッタリなのがありました。
それは「再塗装」!
今回は、「使用したスプレー」「必要物品」「カウルトップパネルの取り外し方」「塗装時の注意点」について解説していきます。
使用したスプレー
このスプレーを選んだ理由
- そんなに高くない(Amazonで2,300円)
- 下塗り(プライマー)の必要なし
- YouTubeで色や手軽さを確認できた
樹脂製パーツに使える黒い塗料は、調べてみるとかなりの数がみつかります。
本来、樹脂製パーツは色が密着しにくい性質で、「下塗り」で密着させる塗料を塗り、「上塗り」で本来の色をつけるという工程が必要です。
このスプレーよりも安いやつ(1,000円以下)もありますが、下塗りのスプレーも用意すると割高になります。
なにより失敗を避けたかったので、工程が少ないほうが素人には助かります。
このスプレーが使われた動画がYouTubeにアップされていたので、事前に色あいや手軽さを確認できたのが決め手です。
必要物品
- 内張りはがし
- 六角レンチ(長さ25㎝以上)
- 車用プッシュリベット(8mm穴径)
こちらは分解作業するときに必ず準備して欲しい工具です。
今回はリベット外しで使いましたが、角度によっては使いずらいです。
一部のリベットは精密用マイナスドライバーを突っ込んで外しました。
車の内外装やパソコンの分解なんかでも使うので、あると重宝します。
カウルトップを外す時に六角ボルトで3か所固定されているので、六角レンチは必須です。
ボルトが奥まった場所にあるので、ソケットタイプで長さ25㎝以上ないと手が届きません。
この画像の工具がベストではないと思いますが、手持ちがこれしかありませんでした。
作業前に必ずボルト位置を確認しておいてください。
リベットは劣化しやすいので、外しているときに何個か壊れると思います。
壊れると再利用できないので、作業する前に揃えておきたいです(100個入りでも安い!)。
カウルトップパネル周辺のパーツを外す
カウルトップパネルの前に、両サイドにある樹脂製の三角パーツを外します。
三角パーツを外すことで、ようやくカウルトップパネルを外せるようになります。
三角パーツを外す
このパーツは白いリベットと本体の形状(クリップのような形)で固定されていてボルトやネジ等はありません。
内張りはがしを使って力技で外しましたが、三角パーツにくっついている白いリベット(助手席側)が破損しました。
こちらは、助手席側の白いリベットが破損したので取り除きました。
白いリベットが無くても固定できているので、現状は様子見でいきます。
そのうち白いリベットは購入する予定です。
ワイパーアームを外す
ワイパーアームを外す前に、元の位置に戻しやすいように養生テープなどで目印をつけておきます。
六角ボルトなのでソケットレンチでゆるめてワイパーアームを外します。
ウィンドーウォッシャー液のチューブを外す
ウィンドーウォッシャーは運転席側にあります。
チューブも同じ場所からカウルトップパネルに向かって伸びているのでわかりやすいです。
このマークが目印です。
今回はこの接続部から外しました。
外したチューブは突っ込むだけで再接続できます。
カウルトップパネルを外す
カウルトップパネルを外すためには、プッシュリベットと六角ボルトを外す必要があります。
プッシュリベットは「内張りはがし」か「精密用マイナスドライバー」で対応。
六角ボルトはソケットレンチの長さ25㎝で対応しました。
プッシュリベットと六角ボルトの位置
カウルトップパネルが付いた状態で見にくいですが、赤丸がプッシュリベット、黄丸がボルト固定の位置です。
- 赤丸→5か所(プッシュリベット)
- 黄丸→3か所(六角ボルト)
カウルトップパネルを外した状態の画像です。
さらにアップすると3か所(黄丸)のボルト位置が見えます。
プッシュリベットを外す
リベットはこんな形です。
プッシュリベットを外す方法
- 「軸」を引き抜くと「受け」が外れる
「軸」と「受け」の構造で「軸」が差し込まれると「受け」が拡がることで固定される仕組みです。
こちらが「受け」。
こちらが「軸」で、差し込むと「受け」が内部で拡がります。
こんなパーツです。
固定の仕組みを知っておくと外しやすくなります。
取り付けのコツは、「受け」を取り付けてから「軸」を押し込む順番のほうがうまくいきます。
ボルトを外す
六角ボルトは3か所です。
ソケットレンチを使いましたが、位置が奥まっているので手持ちの工具を最大限に伸ばしたらこんな感じ(長さ25㎝)でした。
実際に六角ボルトを外そうとするとギリギリ回せる状態でした。
ラチェットハンドル(画像の工具)かドライバーハンドルかで悩むところです。
外した六角ボルトを落とすと大変なので、事前にボルト位置の確認と工具の準備をしておきましょう。
固定場所のアップ
プッシュリベット①:ボンネット内(運転席側)
プッシュリベット②:カウルトップパネル(運転席前)
プッシュリベット③:カウルトップパネル(真ん中)
プッシュリベット④:カウルトップパネル(助手席側)
プッシュリベット⑤:ボンネット内(助手席側)
ボルト①:助手席側
ボルト②:真ん中
ボルト③:運転席側
塗装時の注意点
ポイントは「薄く」「素早く」。
厚く塗ると塗料が垂れて色ムラの原因になります。
また薄く塗るメリットとして「色の調整」もできるので一度に塗ろうと思わず「塗装」→「乾燥」を2、3回に分けましょう。
このスプレーは乾燥が早いので、5分も時間を置けば十分です。
三角パーツ 塗装:1回目
薄く、素早く塗っていきます。
スプレーがあまりに遠いとパーツに届かないので、2、30㎝の距離がベストだと思います。
三角パーツ 乾燥:1回目
塗った直後はテカテカしています。
5分程度の乾燥で落ち着いた「ツヤ無し黒」になりました。
1回の塗装だと色ムラが目立ちます。
三角パーツ 塗装:2回目
たっぷりスプレーしました。
垂れないか心配でしたが、吸収、乾燥が早いので助かりました。
三角パーツ 乾燥:2回目
5分後でこんな感じです。
まだ一部乾いていませんが、さらに2、3分経過すると落ち着いた黒になります。
三角パーツ 塗装:3回目
色ムラにならないように、パーツの向きを変えて塗りました。
3回目もたっぷり塗りました。
薄く塗ることを心がけていましたが、大雑把にやっても大丈夫そうです。
商品に助けられました。
三角パーツ 乾燥:3回目
乾燥後の状態です。
新品の状態を忘れましたが、おそらく新品だろうと思わせてくれる仕上がりです。
塗装前後の比較
カウルトップパネルは未塗装、三角パーツは塗装後です。
比較するまでもなく、塗装後の仕上がりの素晴らしいこと。
樹脂製パーツに多少のキズがあっても、塗装すれば目立たなくなりそうです。
未塗装のカウルトップパネルは白いままです。
次から、カウルトップパネルを塗装します。
カウルトップパネル 塗装前
油分が残っていると塗料をはじくので、中性洗剤でパーツを洗いました。
洗った直後で少しぬれているので黒っぽく見えますが、雨が降りそうだったので乾燥を待たず作業を続行します。
カウルトップパネル 塗装:1回目
薄く、素早く、塗っていきます。
見える部分だけキレイになれば良いので、見えない部分は無視しました。
カウルトップパネル 乾燥:1回目
樹脂製パーツだけでなく、ゴム部分(画像手前あたり)もキレイに仕上がっていました。
カウルトップパネル 塗装:2回目
2回目の塗装も同じ方向から行いました。
カウルトップパネル 乾燥:2回目
だいぶ色ムラがなくなりました。
カウルトップパネル 塗装:3回目
色ムラがなくなるように別方向からスプレーしました。
カウルトップパネル 塗装:3回目
ほとんど色ムラなく仕上がりました。
完成:カウルトップパネルと三角パーツの塗装後
キレイな「ツヤ無し黒」に仕上がりました。
目視ではカウルトップパネルの色ムラは見当たりません。
三角パーツもキレイに塗れていますが、カウルトップパネルより若干黒い気がします。
新しいパーツに交換したような仕上がり。
まとめ
白くなった樹脂製パーツは古さを感じさせるので、できるだけ黒を長持ちさせたいものです。
定期的にメンテナンスが必要なコーティング剤はめんどくさいし、ヒートガンだと熱で変形させそう、新品交換だとパーツ代が高い、という状況でした。
再塗装だと「パーツの取り外しの手間」「塗装する場所の確保」が必要ですが、このスプレーだと腕がいらず「簡単」「キレイ」な仕上がりで、しかも「安い」というメリットがあります。
コーティングと違ってマメなメンテナンスの必要がないので、何年後かに白くなり始めたらまた塗装しようと思います。
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